8年前の東日本大震災にて亡くなられた方や関連死された方のご冥福をお祈りし、被災者の方々に心よりお見舞い申し上げます。
8年前のあの日、私は日本IDDMネットワークのサイエンスフォーラムの準備のため上京するはずでした。
まるで特撮のように見えた津波の様子が今も印象に残っています。
あのとき、日本IDDMネットワークはふるさと納税による寄付も募っておらず今よりも認知度が低い状況でした。
LINEもない中、唯一サクサク動いたTwitterを使っての防災情報発信は無力さを痛感するばかりの日々を思い出しました。
ただ、最近は1型糖尿病の患者・家族に関しては普段から相談できるコミュニティ形成が出来ているようで、災害時の質問も減ってきたようには思います。
都心部を襲うような大規模災害が起きたとき、やはり頼りにすべきは普段からの備えだと思いますので、災害用持ち出しバッグの中身など再確認しましょう。
インスリン治療中の糖尿病患者が気をつけることは下記の『PRESS IDDM』でリンクで紹介しましたので、ぜひご一読ください。
そして、主に停電が起きた北海道胆振東部地震の際の質問ですが、「災害時に持ち出したインスリン製剤は、室温で保存できるのか?」という質問について考えてみたいと思います。
このブログ上での発言はいつも一個人としての考えだと認識していただきたいですが、私の答えとしえは「夏場のひどく気温が高くない状態ならば問題なく使用できるし、普段の生活に戻れたら冷蔵庫に戻せばいい」と思います。
もちろん濁ったり色が変わったりと変性しているものの使用は絶対やめた方がいいと思いますが、変化が見られないものを過剰に心配することより、避難所などでの数日〜数週間の生活の際に、きちんとインスリンを入れておく方が体には優しいと思います。
もちろん製薬メーカーや医療機関から室温で保存していいとは言えないと思いますが、2016年の熊本地震の際にノボ ノルディスク ファーマ株式会社が災害時の対応についてお知らせを発表してくれています。
これを読むと停電等により室温で保存したものは廃棄しないといけないというのは考えすぎじゃないかなと質問を受けた際には思いました。
正直、熊本地震の際に避難所で冷蔵庫を貸してもらえるような状況ではありませんでした。
有事の際は、タオルに包んで直射日光を防ぎ、なるべく30度を越えないように気をつけて使うしかないと思います。
※夏場や車の中では災害時じゃなくてもインスリンクーラーが必要な気がする近年の暑さです...
最後に、関連しそうな資料やリンクをお知らせします。
※東日本大震災後に各インスリンメーカーが発表したインスリン製剤の安定性について記載されています。
※ミックス製剤の方が高温での安定性に欠けるようです。
まぁ、混ぜてるのだから安定性が低下するのは当たり前か...
<参考リンク>

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